塩ビのリサイクル
塩ビ(ポリ塩化ビニル)は再生加工が比較的容易にできる素材です。
近年、「持続的な社会の実現」に向けて、企業側にもアクションを求められています。
そのなかで、環境にやさしい製品として、再生塩ビは注目を集めています。
このページでは私たちが扱っている再生塩ビシート製造の流れを簡単に説明します。
大きく分けると、次の5つの工程になります。
1. 回収
2. 選別
3. 融解(塩ビの練り直し・調色)
4. 圧延
5. ラミネート・エンボス加工
1. 回収
「裁断」「溶着(ウェルダー)」「スリッター」など、軟質塩ビ(ソフトビニール)製品の製造段階における二次・三次加工の際に端材(スクラップ)が発生します。
ごく一部を除いて、ほとんど全ての端材を廃棄処分せずに保管します。
ダブルベイが回収する端材は大手企業から加工の依頼をされる際に支給されるバージン素材(再生でつくられていない素材)から生じた端材が主です。
2. 選別(ゴミ・ホコリの除去、色の分別)
加工の現場では様々な作業が行われていることもあり、回収した端材には異物(ガムテープや紙の切れ端など)が混入していたり、小さなホコリが付着している場合があります。
そのまま使ってしまうと再生塩ビの品質の低下や、製造機器が損傷する恐れもあるため、人の手によって丁寧に選別除去します。
塩ビは透明のバージン素材であれば、かなり自由に着色することができるのですが、再生塩ビ製造の場合、素材(端材)の色味をそのまま活かすか、または求める色に近づけるために端材の色を複数かけあわせる必要があります。そのため色の分別をこの工程で同時に行います。
3. 融解(塩ビの練り直し・調色)
選別した材料(端材)を工場にて高温で溶かして塩ビ素材に戻します。
材料の色をそのまま使うこともありますが、発色が良くなるように色剤を加えながら練り込んでいきます。
塩ビ素材をシートにするにはコストの関係もあり相当な量が必要になります。そのため全く同質の端材を使えることは少なく、多くの場合、別々に保管していた端材を使うことになります。
色、柔らかさ、滑らかさなど再生塩ビの最適解を出すために微調整を繰り返します。熱が加わることで思いがけない色味になってしまうこともしばしば起こります。かけあわせる端材の色と量、溶剤の量や投入のタイミングなど、職人が持つ勘と経験が必要な工程です。
4. 圧延
練り直した塩ビ素材を[カレンダー機]と呼ばれる機械に流し込みます。
塩ビ素材はカレンダー機に取り付けられた何本もの金属ローラーに挟まれながら、圧延され薄いシートになっていきます。
5. ラミネート・エンボス加工
必要な厚さにするため、薄い塩ビシートを層状にラミネートします。長さ10Mほどある大型機械にゆっくりとしたスピードで流れながらラミネートされ、塩ビシートは厚くなっていきます。最大5mmまで厚くすることができます。
機械の中間部分では塩ビシートを大型のヒーターで高温に加熱し、様々なシボ(エンボス模様)が施された特別なローラーで表面に表情をつけます。
端材や残材となった塩化ビニールに、もう一度命を吹き込んでいる再生塩ビ製造。
利点は原材料から作る一次品に比べて低コストで、同時に環境負荷が少ないことにあります。
ダブルベイがご提供する製品は、一部を除いてではありますが、
環境にやさしい、安価でご提供できる再生塩ビシートです。